九谷焼とは|色絵・赤絵・青手の違いと、骨董としての楽しみ

九谷焼は、日本の焼き物の中でもひときわ派手な存在です。深い緑、あたたかみのある黄、落ち着いた紫、鮮やかな赤。これだけの色が一枚の器に共存しているのに、ごちゃごちゃした印象にならない。

そこに九谷焼の面白さがあると思っています。

骨董や茶道具を探していると、「色絵」「赤絵」「青手」という言葉に出会います。九谷焼を選ぶうえでよく使われる区分ですが、はじめて耳にする方には少し分かりにくいかもしれません。この記事では、それぞれの違いと、実際に器を見るときの視点をお伝えします。

九谷焼について

石川県の加賀地方を中心に発展した色絵磁器で、名前の由来は加賀国・九谷村にあるとされています。江戸時代前期に作られた「古九谷」は現在でも根強い人気があり、その後も産地として独自の様式を育ててきました。

九谷焼の特徴は、器全体を使った大胆な絵付けにあります。花鳥、山水、人物、吉祥文様——モチーフは多様ですが、いずれも余白を怖がらないような、力強い色遣いで描かれます。茶碗、皿、花瓶、徳利、盃、香炉など器の種類も幅広く、飾るもの・使うもの・茶席に持ち出すものと、それぞれ違う表情を持っています。

「九谷五彩」という言葉もよく聞きます。赤・緑・黄・紫・紺青の五色を指し、この組み合わせが九谷焼らしい濃密な世界をつくっています。淡く控えめな焼き物というより、空間に対してはっきりと存在を主張する器です。

古い九谷焼には、絵付けの線の揺らぎや釉薬の濃淡、金彩の残り方など、量産品にはない深みがあります。器を眺めていると、それが過ごしてきた時間まで伝わってくることがあります。

色絵とは

複数の色を使って上絵付けを施したものを「色絵」と呼びます。「色絵花鳥図」「色絵人物文」「色絵草花文」などが代表的な名称です。

花や鳥、人物や風景など、絵画的なモチーフが多く、飾り皿や花瓶として楽しみやすいのも色絵の特徴です。「九谷焼らしい華やかさを感じてみたい」という方には、色絵の作品が入り口として向いているかもしれません。

赤絵とは

赤を基調にした絵付けが「赤絵」です。
細密な線描きに金彩を合わせた作品が多く、近くで見るほど発見があります。

文様の細かさ、人物の表情、金彩の入り方——小さな器の中に、作り手の手仕事がぎっしり詰まっているのが赤絵の醍醐味です。

赤一色ではなく、緑や金、紫が加わることで奥行きが生まれます。小皿や盃は特に、食卓や棚の上で使いやすいサイズ感です。

青手とは

名前に「青」とありますが、青一色ではありません。

緑・黄・紫・紺青などを使い、余白をほとんど残さず器面を塗り込めるように描く様式のことを指します。

青手の九谷焼は、他の様式に比べて重厚な印象があります。
色が画面いっぱいに広がり、古九谷を思わせる深みのある雰囲気のものも少なくありません。

すっきりした器というより、色と文様を全体で味わう器です。
棚にひとつ置いたとき、空間をぐっと引き締めるような存在感があります。

三つの違い、簡単に

整理すると、色絵は多彩な色を使った絵画的な表現、赤絵は赤を主役にした細密で華やかな絵付け、青手は緑・黄・紫などで器面を埋め尽くす重厚な様式です。

どれが優れているということではなく、好みの問題です。

華やかさを楽しみたいなら色絵、
細かな絵付けを味わいたいなら赤絵、
骨董らしい存在感を求めるなら青手

——そんなふうに選んでみてください。

骨董品として九谷焼を見るときのポイント

骨董品として九谷焼を選ぶなら、絵柄以外にも目を向けておきたい点があります。

欠けやひびの有無、金彩や絵付けのスレ具合、共箱や栞が残っているかどうか、作家名・窯元名・底款の確認、そしてサイズと用途の確認です。

作家物や茶道具では、共箱があるかどうかが一つの目安になります。

箱書きや栞が残っているものは、作品の来歴を知る手がかりにもなります。

古い器には多少の使用感があるものです。

それを傷みと見るか、時間の積み重ねと楽しむか——そこも骨董選びの面白いところです。

暮らしの中で楽しむ九谷焼

九谷焼は、眺めるためだけの器ではありません。

小皿は食卓のアクセントに、茶碗は茶の時間に、花瓶は季節の花を引き立てるものとして、日常の中に取り込むことができます。

一点物の器には、新品にはない表情があります。
手に取ったときの重み、絵付けのわずかな揺らぎ、箱を開けた瞬間の空気。
そういうものも含めて、九谷焼の持ち味だと思います。

色絵・赤絵・青手の違いを知っておくと、器を見る時間が少し変わります。

「きれい」で終わっていたものが、
「これは青手の雰囲気だ」
「この赤絵は描き込みが細かい」と、自分なりの視点で楽しめるようになります。

まとめ

九谷焼は、鮮やかな色彩と大胆な絵付けが特徴の陶磁器です。色絵は多彩で華やか、赤絵は赤を軸にした細密な表現、青手は濃い色を惜しみなく使った重厚な様式です。

器を選ぶときは、絵柄だけでなく状態や共箱の有無、作家・窯元にも目を向けてみてください。

九谷焼の花瓶・茶碗・皿をお探しの方は、EIKI Re:Findsの一点物の九谷焼もぜひご覧ください。

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